皆さんこんにちは。
本庄の山本歯科医院です。
長寿大国といわれる日本。平均寿命が年々伸び続け、今では世界一の長寿国となっています。
長生きできるなら、いつまでも健康で快適な暮らしを楽しみたいものですね。
そこで重要となってくるのが本来の寿命と「健康寿命」との差。これらを比較すると、男性は約9年、女性は約12年となっており、およそ10年もの差があることがわかっています。
つまり、長生きしたとしても最期の10年間は要介護や認知症を患っている状態にある人が多いという意味です。
それを予防する方法として、近年注目されているのが「噛む力」です。
山本歯科医院でわたしたちとご一緒に、噛む力・お口の機能を衰えさせない取組み「オーラルフレイルケア」を始めませんか?
山本 公紀 院長
山本 公紀 院長
一生涯健康なお口の状態で食事ができ、豊かな心で幸福に暮らせますように、患者様の立場に立った治療を行っております。
医院名:山本歯科医院
所在地: 〒367-0044 埼玉県本庄市見福2-18-26
監修者:山本 公紀 院長
噛む力が健康寿命と密接な関係がある!?
長生きするなら、健康に生きている期間「健康寿命」も長くなければ生きる楽しみが半減されてしまうのでは……という悩みが出てきますよね。
その悩みを解消するためにも、噛む力の維持が大切です。
さまざまな公的機関や大学の組織で研究・調査された結果、近年、健康長寿にはオーラルフレイルケアが欠かせないという考え方が広がり、定着しています。
お口の機能「オーラルフレイル」とは
オーラルとは口、フレイルとは運動機能、オーラルフレイルとは「お口の機能」という意味です。
噛む・話すなどのお口の機能は、全身の健康維持に重要な役割をもっています。
噛む力を確保するためには、歯がしっかりと揃っていることが大切です。
「外から見えにくいところなら、少しくらい歯がなくてもいいんじゃない?」と思ってしまいがちですが、歯を数本失うだけでも、噛む・話すといったお口の機能に影響が出てくるのです。
歯には、空いているスペースへ動いていくという性質があります。その特徴を利用して歯並びをきれいに整える矯正治療が行われるわけですが、何の計算もないまま抜けたままのスペースを放置していると、隣の歯が好き勝手に傾いたり移動してきたりします。
そうして、しだいに歯並びが悪化し、噛む機能にじわじわと悪影響を及ぼすのです。
オーラルフレイルケアで誤嚥性肺炎を防げる?
ここ数年、感染症の予防にマスクを外せないでいますが、マスクでは予防できない肺炎があります。誤嚥(ごえん)性肺炎です。
誤嚥性肺炎は、高齢者の死因の上位に位置する病気です。
誤嚥性肺炎ってどんな病気?
飲み込み方を誤って気管へ入ってしまい、むせることがありますよね。
むせているうちはまだ飲み込む機能が正常に働いているといえるのですが、加齢や病気の影響で飲み込む力が低下すると、むせることもできずそのまま誤嚥を引き起こします。
そして、唾や食べ物のかけらと一緒に細菌が気管から肺へ侵入し、肺炎を引き起こすのです。
誤嚥性肺炎の発症を防ぐためには、
- 飲み込む機能が低下しないように「お口の運動」をする
お口の中の細菌を減らすために「歯磨きを徹底」する
この2つを心がけることで、予防効果が期待できます。
▼お口の細菌から引き起こされる全身の病気について知りたい方はこちら▼
「歯周病は早期発見しにくい!重症化すると心疾患、肺炎、早産のリスクも」
オーラルフレイルケアで認知症が予防できる!?
よく噛む、咀嚼するという行為は脳に刺激を与え、活性化させる作用があります。
専門機関による研究では、よく咀嚼することで、人格・社会性・言語をつかさどる前頭部に15%もの血流増加が認められたと報告もあるほどです。
しっかり噛めないお口の状態を放置していると、健康な人でも集中力や記憶力の低下につながるのです。
高齢になって噛む力が低下すると、なおさら脳への刺激が減ってしまい、認知症への引き金となります。
オーラルフレイルケアで転倒リスクを回避できる!?
近年注目されているオーラルフレイルと健康寿命の関係については全世界で多くの研究や調査が進んでいます。
その中でも、噛めないままの状態を放置していると「転倒しやすくなる」という調査結果は見逃せません。
歯がないのに入れ歯などの義歯を使用していない人の方が、入れ歯をきちんと使用している人よりも転んでけがをしやすくなるというのです。
高齢になって転倒して骨折すると、それから寝たきりになってしまうケースが珍しくないでしょう。十分に気を付けたいものです。
健康寿命を延ばしていつまでも快適な暮らしを楽しむためにも、「たかがお口の中のこと」と軽視せず、お口の機能オーラルフレイルが衰えないようケアをしましょう。
▼失った歯の機能を補う入れ歯・義歯について知りたい方はこちら▼
「入れ歯の治療」
効果的なオーラルフレイルケアの方法
「じゃあ、オーラルフレイルケアって具体的に何をすればいいの?」という方のために、今日から実践できるケア法をお伝えします。
無理なくカンタンにできることばかりですので、参考にしてみてくださいね。
寝る前の歯磨きを大事にする
「食べたら磨く」という食後の歯磨きを習慣化している人は多いですが、忘れられがちなのが寝る前の歯磨きです。
お口の中の細菌が活発化し、増殖しやすいのが夜寝ている間です。お口の中が長時間乾燥するため、細菌にとって好ましい環境になるのです。
寝る前に歯を磨いて、お口の中の細菌量を減らしておきましょう。
デンタルフロスを使って歯間ケアをする
歯磨きの真の目的は、いわば細菌のかたまりである歯垢の除去です。歯垢、しっかりと取り除けていますか?
歯垢が溜まりやすいのは、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目などです。
つまり、歯ブラシの毛先がとどきにくいところなのです。これを的確に除去していくためには、デンタルフロスを使ってしっかりと掻き出す清掃が欠かせません。
デンタルフロスには糸だけの糸巻タイプのほか、初心者にも使いやすいホルダータイプまで豊富にそろっていますので、ドラッグストアなどで選んでくださいね。
自分にあった清掃器具がわからないという方は、ご相談ください。歯科検診の際に、効果的な歯磨きができるアイテムをご提案いたします。
▼効果的な歯磨きの仕方について知りたい方はこちら▼
「歯磨きしてるのにむし歯!?磨き方を間違っているかもしれません」
セルフケアでお口の機能をケアする
飲み込む力や咀嚼力が低下するのは、お口の周りの運動不足のせいかもしれません。
ストレッチや軽い体操で全身の健康維持をするのと同じように、ふだんあまり動かさないお口周りの運動をしましょう。
パタカラ体操
パタカラ体操は、誤嚥を防ぐための介護プログラムにも採り入れられているお口周りのカンタンな運動です。
「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を発音すると、唇や舌の機能をバランスよく使うため、食べたり飲みこんだりする機能をトレーニングできるのです。
「パ」「タ」「カ」「ラ」と1文字ずつ発音してもいいですし、「パパパパパ……」と同音を連続して発音するのもよい運動になります。
唾液腺マッサージ
耳下腺・顎下腺・舌下腺を指で優しく刺激するセルフマッサージです。唾液の分泌量が増えると、食べたり会話したりする口を動かす行為がスムーズにできます。
- 【耳下腺マッサージ】
耳の下にある咬筋に指をしっかりと押し当て、前方に向かってゆっくりと大きく回す(10回行う)
【顎下腺マッサージ】
顎の下を後方から前方に向かって4~5カ所に分けてずらしながら、親指で押していく。やや強めにグッと押し込むように力を加える(5回行う)
【舌下腺マッサージ】
舌があるあたりの頚部を突き上げるように左右の親指でゆっくりと押す(10回行う)
ぜひ、お食事前にやってみてください。唾液の量が増えると、むせることも少なくなるでしょう。
定期検診とメンテナンスでオーラルフレイルケアの効果アップ!
自分の歯で噛んで咀嚼すると食べ物のうま味をグンと引き出せるので、食事のおいしさが倍増します。
お口が健やかだからこそ、人と会い、笑い、会話を楽しみ、人生の幸福度が高く保てるのです。
生きがいを支える歯やお口の健康を維持していくためにも、今回ご紹介したオーラルフレイルケアを続けてみてくださいね。
山本歯科医院では、プロによる定期検診やメンテナンスで、オーラルフレイルの維持に有効なケアを受けていただけます。
歯やお口についてのお悩みや疑問がありましたら、当院にお気軽にお越しください。ご一緒にオーラルフレイルケアをがんばりましょう。